日本各地を走る高速バス!  全国で幅広く使われている“普通にメジャー”な車種が深すぎた!!

日本各地を走る高速バス!  全国で幅広く使われている“普通にメジャー”な車種が深すぎた!!

 空港連絡や中・長距離の都市間移動をカバーする高速バスの数々。この高速バスを趣味で楽しむにあたり、基本要素である車両に注目した場合、2025年2月現在のところ、どのような車種が広く使われているだろうか?

文・写真:中山修一
(現行タイプの高速バスの写真付きフルサイズ版はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

■日本の3大メーカーが高速バス車両を牽引!

三菱ふそう エアロエース 2010年式(京成バス)
三菱ふそう エアロエース 2010年式(京成バス)

 最近の高速バスでは大抵の場合、全長12mクラスでドアが前方に1箇所だけあり、床下にトランクルームを設けた、室内の床面位置が極めて高いハイデッカータイプの車が使われている。

 このハイデッカータイプの大型バス車両のうち、高速バスに使われるものを総称して「高速車」と呼ぶことがある。ではこの高速車、どのメーカー製が全国展開しているだろうか。

 2025年2月現在のところ、一般路線バスと同様に日本製の車が大多数を占めており、高速車を製造/発売しているメーカー(ブランド)に、三菱ふそう、日野、いすゞの3社がある。各社ともに大型トラックの製造も行っている。

 カタログに掲載されている現行車の車種名(ペットネーム)をそれぞれ記すと……

●三菱ふそう エアロクイーン/エアロエース
●日野 セレガ
●いすゞ ガーラ

……の4種類が、日本の高速バスを支える主要ラインナップと言える。

■ココが違う!! エアロクイーンとエアロエース

 三菱ふそうが発売している「エアロクイーン/エアロエース」は、2007年にフルモデルチェンジした3代目モデルを元に、何度かマイナーチェンジを施したものが現行車になっている。

 現在のタイプは2019年に発売されたマイナーチェンジ版。2007年当初はウインカーとヘッドランプを隣り合わせに配置。

三菱ふそう エアロエース 2015年式(西鉄バス)
三菱ふそう エアロエース 2015年式(西鉄バス)

 角目2灯ライトの上に“まつ毛”状の装飾が施された、昨今の普通乗用車にも見られる、ほんのちょっぴり怒っているような目つきが特徴だった。

 2019年の変更でフェイスリフトが行われ、ヘッドライトとフォグランプがLED化したのに合わせて、L/逆L字状のライトケースが取り付けられ、マイナーチェンジ前のモデルとは表情がかなり変わった。

 マイナーチェンジ前/現行タイプともに、特注でない限りは左右ヘッドライトの間に行先表示器が付いている。

三菱ふそうエアロエース 2019年式(しずてつジャストライン)
三菱ふそうエアロエース 2019年式(しずてつジャストライン)

 エアロクイーンとエアロエースは1冊の同じカタログに掲載されている。主な違いとして、エアロエースに対して車高が75mm、室内高が130mmほどエアロクイーンの方が高い。

 また、どちらかと言えばエアロクイーンは観光バス(貸切車)向けで、高速バス用としては夜行仕様のみ標準パッケージが用意されている。そのため、昼行便に使われる三菱ふそう製高速車にはエアロエースが圧倒的に多いようだ。

■どちらも同じ? ガーラとセレガ

 続いて、いすゞガーラと日野セレガのプロファイルに注目してみよう。この2車種はいずれも2005年にフルモデルチェンジした2代目が現行タイプへと通じている。

いすゞガーラ 2016年式(西日本JRバス「グランドリーム」)
いすゞガーラ 2016年式(西日本JRバス「グランドリーム」)

 両車ともに吊り目2灯ヘッドライトの付いた、全体的にごつくて厳めしい顔つきをしているのが特徴。左右ヘッドライト間には装飾パーツ(ガーニッシュ)が施され、その上に行先表示器が埋め込まれているため、エアロエースとは割と簡単に見分けがつく。

 実はガーラとセレガは共通設計で、基本スペックや大まかな外観は両車ほぼ同じと思ってOK。とはいえヘッドライト間のガーニッシュのデザインがそれぞれ異なり、クロームメッキの装飾パーツが付いているほうが原則セレガになる。

日野セレガ 2024年式(十勝バス)
日野セレガ 2024年式(十勝バス)

 2025年2月現在はハイデッカー仕様のみ選択可能で、少し前に用意されていた、背丈がハイデッカー仕様よりも最大25cm高い、スーパーハイデッカー仕様はカタログ落ちしている。

 なおスーパーハイデッカー仕様は、三菱ふそうエアロクイーンと同様に、観光/夜行高速バス向けの色合いが強かった。

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