■最後に背中を刺される!?
買いたいものを自由に買えない制約にモヤモヤさせられるのは確かなのと、温泉宿ゆえ入湯税は現金払いのみ(宿によってたまにある)と言われるのが怖かったが、今回の宿では部屋付けの分と合わせてカードで払って問題なかった。
今回はこれで帰るだけなので、来た道をまっすぐ戻ればチャレンジ完了である。とはいえ、ちょこっと回り道して行きたい衝動に駆られて、下田→河津に出たのち天城峠を経由して、修善寺→三島→新横浜→自宅のルートで戻ることにした。
東海バスはSuica/Pasmoが使えると確認できているのでノーリスクだし、東海道新幹線はEX予約でキャッシュレス自由自在。これはゴールできるなと確信して帰路につき、東海バスC50系統で修善寺駅に降り立った。
修善寺〜三島間は伊豆箱根鉄道駿豆線を利用する。いつもやっている動作で、Suicaを取り出して自動改札機のタッチセンサー部分にかざそうとした、その時……。
「センサーが無いっ!」。なんと駿豆線、交通系ICカード非対応だった!! これは完全にノーマーク、何も気付かないまま逆向きのエスカレーターに乗ろうとした瞬間の驚きと似た、変な声が出た。
最後の最後に刺されてしまったか〜、まさかココで引っかかるとは本当に考えもしなかった。仕方がない、紙の切符を買いましょう、と券売機へ向かうと、あるステッカーに気付いた。
「タッチ決済でご乗車OK」……お、これもしかして!? 最近は公共交通機関でもタッチ決済を導入する事業者が増えつつあるが、伊豆箱根鉄道駿豆線もその一つだった。
問題は自分の選んだクレカにタッチ決済機能が付いているかどうか。そんなの無かった気がしたけれど、カードの表面を見るとタッチ決済の電波アイコンが印刷されていた。前回カードを更新したときに勝手に追加されていたらしい。
いやあぶない、助かった。タッチ決済用のリーダーは改札有人窓口の脇に設置されていた。リーダーが1個しかなく、まだ出始めの支払い方法といったところか。
■今のところは「ゲーム」の範疇?
キャッシュレスの旅〜南伊豆〜の総所要時間は29時間。現金投入でリタイヤせずに戻ってこられたため、29/29時間でキャッシュレス達成率は100%だ。
今回の場合、確かにフルキャッシュレスで旅に出ること自体は可能であった。それなら現金を一切使わない旅は果たして満喫できるのか?
と問われれば、少なくとも現状の国内の決済事情においては、常に「カード使えなかったらどうしよう?」を始めとする小さな不安の積み重ねが次第にストレスへと化けてしまう。
まして、細かいところで現金払いのみ・買いたくても買えない蛇の生殺し(金目鯛コロッケ食いたかったなぁ…)がチマチマ挟まるせいで湧いて出てくる、やり場のない心のモヤモヤに付きまとわれるのが正直な感想だ。
一方でゲーム性はちょっとあるので、上記のストレスやモヤモヤをうまくスリルに変換できるかが、キャッシュレスの旅を楽しむ鍵になるかも。また今度別の目的地を決めてやってみるかな。
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