これがわかればあなたもバス通!! 窓が開閉できる高速バスにはある秘密が!?

これがわかればあなたもバス通!! 窓が開閉できる高速バスにはある秘密が!?

 高速バスや貸切バスには、窓が開くものと開かないものがある。見た目のエレガントさなどはともかくとして、実は明確なルールがあるのだ。

 昨今は換気の必要性が叫ばれているだけに、窓の開閉についての関心は高いはずだ。そこで窓の開閉ルールについて再確認した。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

【画像ギャラリー】高速バスや貸切バスで窓が開くものと開かないものがあるワケ(6枚)画像ギャラリー

見た目は開かないほうがカッコいい?

 スラっとした高速バスや貸切バスの側面の窓は、開かないほうが見た目にもエレガントで恰好が良い。ただし昨今の世情では換気の必要性から窓は開いたほうが良いと考える人も多い。

 これについては別の議論になるので詳細は省くが、窓が開かなくてもバスのエアコンは強力なので十分な換気能力があり、5分ほどで車内の空気が換気される。

 街を走るバスを眺めていると、高速バスに限れば長距離バスや夜行バスは窓が開かない仕様が多いように感じる。また貸切バスは高級そうな仕様ほど窓が開かないようだ。ルールとは異なるが、この見分けはある意味で正しい。

補助性のある高速バスは窓が開く
補助性のある高速バスは窓が開く

 結論を先に述べるとルールとしては、補助席の有無で開閉する窓の設置義務が分かれる。よって長距離や夜行仕様の高速バスや、高級仕様の貸切バスには補助席がないことから、窓が開かないバスが多いのは厳密ではないが概ね正解と言える。

すべては安全のため

 バスには乗降ドアの他に非常口を設置しなければ、日本の道路では走れない。外国製の連節車のように非常口がない代わりに、窓ガラス破壊用のハンマーを設置することで、非常口に代えることが認められた例はあるものの、基本的には複数の脱出口がある。

 しかし補助席が設置され実際に使用されている状態のバスには通路がない。事故発生時に脱出するのに乗降口や非常口に行こうにも通路がなければ不可能だ。

メルセデスベンチ・シターロG(連節車)には非常口がないため窓ガラスを破るハンマーがある
メルセデスベンチ・シターロG(連節車)には非常口がないため窓ガラスを破るハンマーがある

 手順としては、まず補助席に着座している「全員」が補助席をたたみ通路を確保したうえで脱出。そのあとに正座席の人が確保された通路を通って脱出という方法をとる。

 補助席の人がまごついたりパニックに陥るなどして、補助席をたたまずに前の座席を飛び越えて脱出してしまうと、正座席の人が脱出困難になる。よって開く窓を設置することを義務付けて、容易にどこからでも脱出できるように決められている。

次ページは : スーパーハイデッカーには専用の脱出口が!

最新号

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

【9月20日発売】巻頭特集は「東急バス」!! ほか楽しいバスの企画満載の バスマガジン126号!!

バスマガジン Vol.126は9月20日発売!! 美しい写真と詳細なデータ、大胆な企画と緻密な取材で読者を魅了してやまないバス好きのためのバス総合情報誌だ!!  巻頭の[おじゃまします! バス会社潜入レポート]では、東急バスを特集。東京都から神奈川県において都市部から住宅地、田園地帯まで広いエリアを綿密なネットワークを展開、さらに高速路線バスやエアポートリムジンも大活躍。地域住民の足としてはもちろん、首都圏の動脈ともいえる重要な存在だ。  続く特集は、ついに日本に上陸しさらに種子島での運行が決まった、ヒョンデの電気バス[ELEC CITY TOWN]の試乗インプレッション。日本におけるヒョンデの本拠地である横浜・みなとみらい地区で、徹底的にその性能を確認した。  バスの周辺パーツやシステムを紹介する[バス用品探訪]では、なんと排出ガスからほぼ煤が出なくなるというエンジンオイルを紹介。この画期的な商品「出光アッシュフリー」について、出光で話わ聞いてきた。  そして後半カラー特集では、本誌で毎号、その動向、性能を追跡取材してきた「カルサンe-JEST」。このトルコ製小型電気バスがついに、運行デビューを果たした。その地は長野県伊那市と栃木県那須塩原市。今後の活躍が期待される出発式を紹介する。