■電車で直通はムリ、だけれど
そんな新神戸〜神戸間の公共アクセス事情に注目してみよう。まずは電車であるが、こちらは神戸エリアの中心地である三宮(三ノ宮)で、神戸市営地下鉄/JR線の乗り換えが必要。
新神戸駅は、名称の元になった駅まで、電車では直通できないタイプの「新」のつく駅だと分かる。乗り換えなしで行ける手段があるとすれば、あとは路線バスだろう。
新神戸駅に降り立って、駅舎を出るとバス乗り場が隣接していた。ここのバス停標識から、神戸駅へ行くバスが出ているかをチェックしていった。
新神戸駅前と、その周辺にあるバス停には、一般路線バスをはじめ、都市間高速バスや神戸の観光エリアを回る循環バスなど、色々な種類のバスが出入りしているようだ。
■やっぱり極細なの?
その中で神戸駅を経由するバスはどれか……これがなかなかヒットせず。もしかして極細どころか皆無なの? と不安になるくらい「神戸駅」の文字が視界に入って来てくれない。
一つくらいあるでしょ? と、時刻表・路線図ほか、現地に掲示されている各種情報をよーく眺めていったところ、ついに「神戸駅」まで行くと思われるバスが1系統見つかった。
新神戸駅〜神戸駅を結ぶ路線バス……神姫バスが運行している「ポートループ」と呼ばれるもので、神戸ベイエリアへの観光アクセスを意識した、循環バスが該当したのは意外だった。
■すごいヤツが来た
時刻表を見ると、ポートループは日中20分おきに出ているとのこと。しばらく待っていると、何やらすごいのが車体をくねらせながら入って来た。白地に黒と紫のストライプが入った、全長18mクラスの連節バス・ブルーリボンハイブリッドだ。
この連節バスがポートループであった。ちょうど同じ観光ベイエリアを擁する、神奈川県の横浜にも連節バス「ベイサイドブルー」が走っているのをふと思い出したところ、よく似た雰囲気が漂ってきた。
ポートループは神戸ベイエリアを時計回りにグルリと1周する。新神戸駅を乗車地点にした場合、神戸駅は経路西側の最も端に位置しており、ほぼ半周する形になるようだ。
■ダイナミックな駅間移動
さすがに都会だけあって道路渋滞に少々はまりながらも、街の中心部や海寄りの観光スポットに立ち寄りつつ、長い車体をものともしない鮮やかな走りでコマを進め、40分ほどで神戸駅南口のバスロータリーに着いた。運賃は230円。
新神戸駅→神戸駅を地下鉄/JR乗り換えで行った場合、きれいに繋がれば15分ほど、徒歩でも1時間を切るくらいだ。
それを加味すると、各観光スポットへの寄り道ルートを取るポートループは、純粋なJRの駅間移動向けに用意された交通手段というよりも、あくまで途中区間の短距離移動に特化した乗り物であると想像させられる。
おそらく唯一の直通するバスは、所要時間を考えれば目的外の利用方法に近い気がするのと、電車のほうも乗り換えが必要。と、なれば新神戸〜神戸駅間における交通の線は、やはり細い部類に入るかも。
とはいえ、車体の長〜い連節バスに乗って、ダイナミックに駅間移動ができてしまうのも、なかなか豪華なオマケが付いてくるように思えて、これはこれでバス遊びへの大きな魅力に繋がる。
【画像ギャラリー】まさかのオンリーワン? 新神戸駅〜神戸駅を繋ぐ路線バス(15枚)画像ギャラリー
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